本教育プログラム「データサイエンス技術」は、文部科学省より数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)[外部サイト]に認定されています。 認定制度への申請内容 令和4年度採択 ・申請書(工学部)[PDF] 令和5年度採択 ・申請書(理学部)[PDF]・申請書(医学部)[PDF] 令和6年度採択 ・申請書(農学部)[PDF] |
1. 教育プログラムの名称
データサイエンス応用基礎プログラム
2. 教育プログラムにおいて身に付けることのできる能力
(1)データから意味を抽出し,現場にフィードバックする能力
(2)自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用するための大局的な視点
(3)AIの基本的な概念と手法,応用例を学ぶことで,AI技術を活用し課題解決につなげる能力
(4) 学部が定める能力
3. 受講対象
全学部生(開講学部によって受講対象を限定する場合がある)
プログラムの難易度を考慮して,「データサイエンス技術」及び「データサイエンス技術演習」の受講は,2年生以上が望ましい。
4. 修了要件
以下の科目の単位を全て修得すること。
*1 共同獣医学部と国際総合科学部は同等の授業科目
*2 いずれかの学部が定める科目群の単位を全て修得すること。
修了要件ではないが,自身の専門に合わせてデータサイエンス関連科目を修得することを推奨する。
5. 開設される授業科目、 授業の方法及び内容
5-1. データ科学と社会Ⅰ及びデータ科学と社会Ⅱ
- データ科学と社会Ⅰ(1単位)
- データ科学と社会Ⅱ(1単位)
*共同獣医学部と国際総合科学部は同等の授業科目
授業科目 | 数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム | |
---|---|---|
導入 | データ科学と社会Ⅰ 及び データ科学と社会Ⅱ |
1.社会におけるデータ・AI利活用 1-1 社会で起きている変化 1-2 社会で活用されているデータ 1-3 データ・AIの活用領域 1-4 データ・AI利活用のための技術 1-5 データ・AI利活用の環境 1-6 データ・AI利活用の最新動向 |
基礎 | データ科学と社会Ⅰ | 2.データリテラシー 2-1 データを読む 2-2 データを説明する 2-3 データを扱う |
心得 | データ科学と社会Ⅱ | 3.データ・AI利活用における留意事項 3-1 データ・AIを扱う上での留意事項 3-2 データを守る上での留意事項 |
5-2. 工学部が定める科目群
- データサイエンス技術(2単位)*1
- データサイエンス技術演習(2単位) (工学部知能情報工学科が開講するもの)*2
*1 令和2年度までの入学生は「応用情報数学Ⅱ」とする。
*2 令和2年度までの入学生は「ものづくり創成実習I・II」とする 。
コア学習項目との対応
データ科学と社会Ⅰ | データ科学と社会Ⅱ | データサイエンス技術 | データサイエンス技術演習 | ||
Ⅰ.データ表現とアルゴリズム | 1-6.数学基礎(※) | 〇 | |||
1-7. アルゴリズム(※) | 〇 | ||||
2-2. データ表現(☆) | 〇 | 〇 | |||
2-7. プログラミング基礎(※) | 〇 | ||||
Ⅱ.AI・データサイエンス基礎 | 1-1.データ駆動型社会とデータサイエンス(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | |
1-2.分析設計(☆) | 〇 | ||||
2-1.ビッグデータとデータエンジニアリング(☆) | 〇 | ||||
3-1.AIの歴史と応用分野(☆) | 〇 | 〇 | |||
3-2.AIと社会(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||
3-3.機械学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
3-4.深層学習の基礎と展望(☆) | 〇 | ||||
3-9.AIの構築と運用(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Ⅲ.AI・データサイエンス実践 | 3-I.データエンジニアリング基礎 | 〇 | 〇 | ||
3-II.データ・AI活用 企画・実施・評価 | 〇 |
授業内容
・「データサイエンス技術」
社会での実例を題材に数理・データサイエンス・AIを活用することを通じ、現実の課題に対する基本的な活用法を、演習を通じて学ぶ内容を含む。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 統計数理基礎 | データの記述 |
2 | 確率と確率分布 | |
3 | 統計的推測・統計的検定 | 推測,予測,検定,判断 |
4 | 統計的推測・統計的検定 | |
5 | データ分析と可視化 | データの可視化(1) |
6 | データの可視化(2) | |
7 | 意味抽出 | |
8 | クロス集計表 | |
9 | 機械学習 | クラスタリング(1) |
10 | クラスタリング(2) | |
11 | 人工知能 | |
12 | 教師あり学習 | |
13 | モデル評価 | |
14 | 主成分分析と因子分析 | |
15 | 総括 |
※ 令和2年度までの入学生対象の「ものづくり創成実習I・II 」 の授業内容はこちら
・「データサイエンス技術演習」
社会での実例を題材に数理・データサイエンス・AIを活用することを通じ、現実の課題に対する基本的な活用法を、実践等を通じて学ぶ内容を含む。
週 | 授業 | 項目 |
---|---|---|
1 | パターン認識 | パターン認識の処理系(特徴抽出系,識別系など),プログラミングの基礎 |
2 | ||
3 | データの分析 |
|
4 | ||
5 | モデル分析 | 分類モデルの構築(ランダムフォレスト,サポートベクターマシンなど) |
6 | ||
7 | 性能評価とパラメータチューニング |
|
8 | ||
9 | データクレンジング |
|
10 | ||
11 | PBL演習(グループワーク) | オープンデータを使って課題設定,検討,成果発表までを行う。例えば,画像のクラス分類の問題を課題としたときに,有効な特徴抽出を検討,複数の識別モデルを比較する。データの可視化などにより処理の効果を確認するなど。 |
12 | ||
13 | ||
14 | ||
15 |
※ 令和2年度までの入学生対象の「応用情報数学Ⅱ」 の授業内容はこちら
5-3. 理学部が定める科目群
- データサイエンス技術(2単位)
- データサイエンス技術演習(2単位)
- 機械学習(1単位)
コア学習項目との対応
データ科学と社会Ⅰ | データ科学と社会Ⅱ | データサイエンス技術Ⅰ | データサイエンス技術Ⅱ | データサイエンス技術演習 | 機械学習 | ||
Ⅰ.データ表現とアルゴリズム | 1-6.数学基礎(※) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
1-7. アルゴリズム(※) | 〇 | 〇 | |||||
2-2. データ表現(☆) | 〇 | ||||||
2-7. プログラミング基礎(※) | 〇 | ||||||
Ⅱ.AI・データサイエンス基礎 | 1-1.データ駆動型社会とデータサイエンス(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | |||
1-2.分析設計(☆) | 〇 | 〇 | |||||
2-1.ビッグデータとデータエンジニアリング(☆) | 〇 | 〇 | |||||
3-1.AIの歴史と応用分野(☆) | 〇 | 〇 | |||||
3-2.AIと社会(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-3.機械学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-4.深層学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-9.AIの構築と運用(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
Ⅲ.AI・データサイエンス実践 | 3-I.データエンジニアリング基礎 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
3-II.データ・AI活用 企画・実施・評価 | 〇 | 〇 |
授業内容
・「データサイエンス技術Ⅰ」
データサイエンスに必要な基本的な技術を学ぶ。特にデータサイエンスの基本となる統計数理基礎、データの整理・分析の方法、推定・検定の方法の入門について学習する。民間企業で研究開発経験のある教員が、企業の研究開発現場で必要となる統計学について紹介する。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | データサイエンスとは 統計数理基礎1 統計数理基礎2 |
データサイエンス 統計解析 平均値、分散、標準偏差等の統計量 実験データの取り扱い |
2 | 統計数理基礎2 データの整理・分析1 (1次元データ) |
実験データの取り扱い 度数分布、統計量、グラフによる可視化、他 |
3 | データの整理・分析1(1次元データ) データの整理・分析2(2次元データ) |
グラフによる可視化、他 散布図、相関係数、相関関係と因果関係、回帰直線、グラフによる可視化、他 |
4 | 確率と確率分布(確率モデル) | 確率、期待値 確率分布(確率モデル) |
5 | 母集団と標本 大数の法則と中央極限定理 |
母集団と標本集団 標本調査 大数の法則 中央極限定理 |
6 | 推定と検定1 | 点推定、区間推定 |
7 | 推定と検定2 | 区間推定、検定 |
8 | 期末試験 |
・「データサイエンス技術Ⅱ」
データサイエンスの基本的な概念を学び、データサイエンスに必要な基礎的な技術と技能を身につける。具体的には、教師あり学習や教師なし学習等の機械学習の知識を身につける。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 機械学習の応用例 学習とは? |
Alpha 碁、自動運転など身近な実用例を紹介 教師あり学習,教師なし学習、強化学習 パラメトリックとノンパラメトリック 損失関数、訓練誤差と汎化 誤差、クロスバリデーション(CV) |
2 | 高次元データの表現 | 散布図 主成分分析(PCA)、因子分析 回帰・判別・クラスタリング |
3 | クラスタリング(教師なし) | 階層的なクラスタリング、kmeans法(非階層的な推測)、ボロノイ分割 |
4 | モデル推定 回帰分析 |
モデル推定:オッカムの刃、過学習 パラメトリック回帰: 線形単回帰、線形重回帰、非線形回帰 最小二乗法、回帰係数 |
5 | ノンパラメトリック回帰 | ノンパラメトリック: Bスプライン、カーネル密度推定法 |
6 | 判別分析(教師あり学習) | 2クラス分類と多クラス分類(判別) 線形判別(パラメトリック)、[マハラノビス専門科目距離] |
7 | ノンパラメトリック判別 | サポートベクターマシン、決定木、[ランダムフォレスト]、k近傍法、例:スパムメール判定 |
8 | 機械学習の総括、まとめ | データサイエンスと機械学習について総括するおよび期末試験 |
・「データサイエンス技術演習」
確率と統計・アルゴリズム・数値計算に関する実習を行い、その内容をレポートでまとめる。さらに演習内容を簡潔にまとめたものをプレゼンテーションする。
週 | 授業 | 項目 |
---|---|---|
1 | オリエンテーション | 実習についての注意事項とレポートの書き方について説明する. |
2 | 乱数 | 逆関数法, ボックス・ミュラー法, 棄却法を用いて様々な分布に従う乱数を生成する方 法を学ぶ. |
3 | 大数の法則と中心極限定理 | モンテカルロ法を用いて円周率を計算する. |
4 | 確率過程 | ブラウン運動の数学的性質を学ぶ. |
5 | 仮説検定 | 実データに対してカイ二乗検定やt検定を行う. |
6 | 数値線形代数定 | 線形連立方程式の数値解法(ガウスの消去法)と行列の最大固有値の数値解法(べ き乗法)を学ぶ. |
7 | ソーティング | バブルソートとマージソートの計算量を比較する. |
8 | 微分方程式の数値解法 | 拡散方程式の数値解法を学ぶ. |
9 | パーセプトロン | パーセプトロンを用いて簡単な論理回路を学習する. |
10 | 発表会1 | 8名程度の学生が発表する.残りの学生は他の学生の発表を聞き,質問をする. |
11 | 発表会2 | 8名程度の学生が発表する.残りの学生は他の学生の発表を聞き,質問をする. |
12 | 発表会3 | 8名程度の学生が発表する.残りの学生は他の学生の発表を聞き,質問をする. |
13 | 発表会4 | 8名程度の学生が発表する.残りの学生は他の学生の発表を聞き,質問をする. |
14 | 発表会5 | 8名程度の学生が発表する.残りの学生は他の学生の発表を聞き,質問をする. |
15 | 全体のまとめ |
・「機械学習」
機械学習の基本的な手法である回帰や分類問題及びこれらを導出するための数学的な基礎を身に付け、また様々な機械学習法に存在する過学習問題・特徴選択及び正則化などを理解・把握する。さらに最新な機械学習手法である深層畳込みニューラルネットワーク(CNN)及びこれに関連の数学的な演算を理解し、具体的にプログラムを書いて実装できるようにする。また,これらの方法を,情報科学をはじめとする他の学問分野で積極的に応用することのできる能力を身につける。
週 | 授業 | 項目 |
---|---|---|
1 | オリエンテーション 機械学習の基本概念 |
講義の進め方を説明し,講義の内容の概要を説明する.また、機械学習の基本原理を解説する。 |
2 | 回帰問題と分類問題 | 回帰問題・分類問題の概念およびそれぞれの損失関数の説明を説明する |
3 | 回帰の線形モデル | モデルの構築、最小二乗法、多項式回帰、過学習問題について解説する |
4 | 過学習問題の解決法 | 正則化、リッジ回帰、特徴選択、LASSO回帰を説明する |
5 | ニューラルネットワーク | 一般のニューラルネットワークの概念、全体構造、基本演算について説明する |
6 | 深層畳込みネットワーク1 | 深層畳込みネットワークの基礎、種類、基本演算層などについて説明する |
7 | 深層畳込みネットワーク2 | 深層畳込みネットワークの演算・学習法および応用例について説明する |
8 | 授業のまとめおよび期末試験 | 授業のまとめおよび期末試験 |
5-4. 医学部が定める科目群
- 数学Ⅰ
- 数学Ⅱ
- 医用統計学・医用AI学
- システムバイオインフォマティクス
- 社会医学基本実習
- 医療情報・EBM
- 多職種連携
医学部が定める教育プログラムにおいて身に付けることのできる能力
- 医療分野におけるデータの取り扱いにおける倫理的問題と社会的影響の理解。
- 医療現場におけるAI技術の結果を過不足なく捉え治療に活かす能力。
コア学習項目との対応
データ科学と社会Ⅰ | データ科学と社会Ⅱ | 数学Ⅰ | 数学Ⅱ | 医用統計学・医用AI学 | システムバイオインフォマティクス | 社会医学基本実習 | 医療情報・EBM | 多職種連携 | ||
Ⅰ.データ表現とアルゴリズム | 1-6.数学基礎(※) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
1-7. アルゴリズム(※) | 〇 | |||||||||
2-2. データ表現(☆) | 〇 | |||||||||
2-7. プログラミング基礎(※) | 〇 | 〇 | ||||||||
Ⅱ.AI・データサイエンス基礎 | 1-1.データ駆動型社会とデータサイエンス(☆) | 〇 | 〇 | |||||||
1-2.分析設計(☆) | 〇 | 〇 | ||||||||
2-1.ビッグデータとデータエンジニアリング(☆) | 〇 | 〇 | ||||||||
3-1.AIの歴史と応用分野(☆) | 〇 | |||||||||
3-2.AIと社会(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
3-3.機械学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | ||||||||
3-4.深層学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | ||||||||
3-9.AIの構築と運用(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
Ⅲ.AI・データサイエンス実践 | 3-I.データエンジニアリング基礎 | 〇 | ||||||||
3-II.データ・AI活用 企画・実施・評価 | 〇 |
授業内容
・「数学Ⅰ」
この数学Iでは、微分積分学の学習をします。微分積分学は理工系学問の基礎であり、内容は多岐にわたりますが、この数学Iの講義では、特に一変数関数の微分と積分に関連する概念の理解・様々な計算方法を習得します。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 講義(内容紹介,高校復習) | 集合,ド・モルガンの法則,順列・組み合せ,二項定理・パスカルの三角形,数列,等差数列,等比数列,数学的帰納法 |
2 | 講義(関数と連続) | 数列極限,はさみ打ちの公式,等比級数,実数の連続性公理,ネピア数,逆関数,合成関数, 関数極限,連続関数,四則演算・合成・逆の連続性,中間値の定理,最大・最小の存在定理 |
3 | 講義(微分法1) | 初等関数とその連続性,三角関数・指数関数・対数関数,極限公式(三角関数),逆三角関数,極限公式(指数関数・対数関数) |
4 | 講義(微分法2) | 微分可能,導関数,四則演算の微分公式,関数の微分(多項式,有理式,三角関数,逆三角関数,指数関数,対数関数),合成関数の微分公式,対数微分法,逆関数の微分公式 |
5 | 講義(微分法3) | 高次導関数,ライプニッツの公式,ロルの定理,ラグランジュの平均値の定理,関数グラフの概形(増減) |
6 | 講義(微分法4) | テイラーの定理,テーラー展開,マクローリン展開,剰余項,関数近似・近似式,テイラー級数展開,マクローリン級数展開 |
7 | 講義(微分法5) | 初等関数のマクローリン級数,整級数と収束半径、 |
8 | 講義(微分法6) | |
9 | 講義(積分法1) | 定積分(リーマン積分),連続関数の定積分,定積分の諸性質,積分の平均値の定理,微分方程式と不定積分,微分積分学の基本定理 |
10 | 中間考査 | |
11 | 講義(積分法2) | 部分積分,置換積分,様々な積分計算,漸化式と積分計算,ダブル階乗を含む定積分,有理関数の積分 |
12 | 講義(積分法3) | 無理関数を含む積分,三角関数を含む積分(演習) |
13 | 講義(積分法4) | 平面図形の面積,平面曲線の長さ,回転体の体積 |
14 | 講義(積分法5) | 広義積分,広義積分の代表例(テスト関数),広義積分の存在・非存在の条件 |
15 | 講義(積分法6) | ガンマ関数,ガンマ関数と球の表面積・体積,ベータ関数,ベータ関数とガンマ関数 |
16 | 期末考査 |
・「数学Ⅱ」
数学Iで学んだ1変数函数の微分・積分に関する知識を発展させ、多変数、主に2変数関数の微分(偏微分)と積分(重積分)について講義する。微分、積分や関連する概念の理解と,様々な計算方法に習熟することを目的とする。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 講義(多変数関数とは) | 多変数関数,ユークリッド空間,ユークリッド距離,開集合・領域・開領域,多変数関数の極限, 多変数関数の連続 |
2 | 講義(偏微分と全微分) | 偏微分,偏微分可能性,偏微分係数,偏導関数,偏微分と連続性全微分,全微分可能性,全微分と偏微分,全微分と連続 |
3 | 講義(合成関数の微分公式,変数変換,接平面) | 合成関数の微分公式,チェイン・ルール,ヤコビ行列・ヤコビ行列式 極座標及び変数変換, 全微分と接平面,接平面・法線の方程式 |
4 | 講義(高次偏導関数とテーラーの定理) | 高次偏導関数とその表し方, 偏導関数と偏微分の順序,滑らかな関数,偏微分作用素, テーラーの定理 |
5 | 講義(テーラーの定理の応用) | 2変数の平均値定理,漸近展開,極値問題,極大値・極小値,極値と1次偏導関数, 2次偏導関数と極値判定 |
6 | 講義(陰関数定理) | 陰関数定理,陰関数定理と逆関数定理,陰関数の微分公式,陰関数の接線と凹凸 |
7 | 講義(条件付き極値問題) | 陰関数定理の証明,条件付き極値問題 |
8 | 講義(重積分定義) | 重積分と重積分可能,Darboux の定理,連続関数と重積分,図形の面積・体積 |
9 | 講義(中間考査) | |
10 | 講義(重積分の計算,累次積分) | 重積分と累次積分,重積分の基本性質(計算公式,積分順序の交換,微分・積分の順序交換) |
11 | 講義(重積分の計算,変数変換) | 重積分の変数変換,極座標変換,正規分布の公式, 球面座標変換, 曲線の極座標表示による扇型図形の面積公式 |
12 | 講義(線積分とグリーンの定理) | 線積分, グリーンの定理,微分積分学の基本定理の微分形式的解釈,ストークスの定理,グリーンの定理と応用 |
13 | 講義(立体の体積と曲面の曲面積) | 立体と様々な立体の体積計算,ガバリエリの原理曲面と曲面積,グラフ型曲面,回転面 |
14 | 講義(ガンマ関数・ベータ関数) | ガンマ関数及びベータ関数とその基本的性質,ガンマ関数とベータ関数の関係公式 |
15 | 講義(変数関数の広義積分) | 多変数における広義積分の考え方と基本的な性質(解説のみ) |
16 | 講義(期末考査) |
・「医用統計学・医用AI学」
- 統計学の基本的な用語、解析方法を理解する。
- 生命現象の不確定性を統計的に客観的に評価する考え方を学習する。
- 医学における統計学の意義と限界について理解する。
- 機械学習の統計的解析との違いを理解する。
- 機械学習の分類・アルゴリズムを習得し、適用範囲を理解する。
回 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 統計の基礎/Rの基本 | |
2 | 統計の基礎 | |
3 | 検定方法の基礎 | |
4 | 多重比較 | |
5 | 相関と回帰 | |
6 | 機械学習1、判別解析 | |
7 | 機械学習2、多変量解析、 生存率 | |
8 | 一般化線形モデル | |
9 | ベイズ |
回 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 二群間の検定、分散分析、相関と回帰 | |
2 | 多群間の検定 | |
3 | ||
4 | データの抽出・図示・分布 | |
5 |
・「システムバイオインフォマティクス」
- 統計学の基本的な用語、解析方法を理解する。
- 今世紀に入り、要素還元的な生命科学の研究手法から統合論的手法へのパラダイムシフトの中核をなすシステムバイオロジーの考え方と応用について学ぶ。
- その爆発的な普及の基盤となった分子レベルの知識蓄積を可能にしたバイオインフォマティクスの解析手法について学習する。
- 近年急速に発展している機械学習の基礎と実用について学習する。
回 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 医用AI学の基礎 | |
2 | 医用AI学の応用 | |
3 | システム医学の基礎(1) | |
4 | システム医学の基礎(2) | |
5 | システム医学の応用 | |
6 | バイオインフォマティクスの基礎 | |
7 | バイオインフォマティクスの応用 |
・「社会医学基本実習」
- 統計学の基本的な用語、解析方法を理解する。
- 今世紀に入り、要素還元的な生命科学の研究手法から統合論的手法へのパラダイムシフトの中核をなすシステムバイオロジーの考え方と応用について学ぶ。
- メンタルヘルスについて学ぶ。
- 環境リスク測定について学ぶ。
- 疫学について学ぶ。
回 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 実習説明・準備・班分け | |
2 | バイオインフォマティクス(4コマ) | |
3 | システムバイオロジー(4コマ) | |
4 | 空気環境測定・騒音振動測定(4コマ) | |
5 | 国民栄養・食品(4コマ) | |
6 | リスク評価(4コマ) | |
7 | 労働安全とメンタルヘルス(4コマ) | |
8 | 筆記試験 |
・「多職種連携」
- 病院が多職種連携の協力の元に成り立っている現状を理解する。
- 多職種の業務内容について理解し、医師との関わりについて理解する。
回 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 医療安全 | |
2 | 個人情報保護・電子カルテ | |
3 | 病院の仕組み | |
4 | 検査部の役割 | |
5 | 放射線部の役割 | |
6 | 処方箋の書き方、医薬品の取り扱い | |
7 | 看護部の役割 | |
8 | 多職種連携総論~何故、連携能力が求められているのか? | |
9 | 地域医療連携 | |
10 | 予備日 | |
11 | 医師会の役割と使命 |
※ 令和2年度までの入学生対象の「応用情報数学Ⅱ」 の授業内容はこちら
5-4. 農学部が定める科目群
- 数学概論(2単位)(農学部各学科開講分)
- データサイエンス技術(2単位)(農学部各学科開講分)
- 応用情報処理学(2単位)(農学部生物資源環境科学科開講分)
- 生物環境情報工学(2学部)(農学部生物資源環境科学科開講分)
コア学習項目との対応
データ科学と社会Ⅰ | データ科学と社会Ⅱ | データサイエンス技術 | 数学概論 | 応用情報処理学 | 生物環境情報工学 | ||
Ⅰ.データ表現とアルゴリズム | 1-6.数学基礎(※) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
1-7. アルゴリズム(※) | 〇 | 〇 | |||||
2-2. データ表現(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
2-7. プログラミング基礎(※) | 〇 | 〇 | |||||
Ⅱ.AI・データサイエンス基礎 | 1-1.データ駆動型社会とデータサイエンス(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
1-2.分析設計(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
2-1.ビッグデータとデータエンジニアリング(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-1.AIの歴史と応用分野(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
3-2.AIと社会(☆) | 〇 | 〇 | |||||
3-3.機械学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-4.深層学習の基礎と展望(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
3-9.AIの構築と運用(☆) | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
Ⅲ.AI・データサイエンス実践 | 3-I.データエンジニアリング基礎 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
3-II.データ・AI活用 企画・実施・評価 | 〇 |
授業内容
・「データサイエンス技術」
データサイエンス技術の基礎 (原理) を解説し、 授業中の演習を通じて、 農学分野において必要となるデータサイエンス技術の手法の理解をめざす。 自分それらの手法を活用するための能力を身に着ける。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 統計数理基礎1 | データサイエンスの必要性、データの表現法、集団の代表値 |
2 | 統計数理基礎2 | 度数分布、ベイズの定理 |
3 | 統計数理基礎3 | 統計的推測・相関分析 |
4 | 統計数理基礎4 | 区間推定・検定 |
5 | データの分析と可視化1 | グラフ化 |
6 | データの分析と可視化2 | データの前処理、標準化、正規化、欠損値、外れ値 |
7 | データの分析と可視化3 | データ分析のプロセス、時系列データ |
8 | データの分析と可視化3 | 集計、クロス集計、階級 |
9 | 機械学習・クラスタリング1 | クラスター分析、距離 |
10 | 機械学習・クラスタリング2 | 教師学習なしのクラスター分析、階層クラスター分析 |
11 | 機械学習・クラスタリング3 | 人工知能、決定木、SVM |
12 | 機械学習・クラスタリング4 | モデル評価、深層学習 |
13 | 機械学習・クラスタリング5 | 教師あり学習の回帰分析、判別分析 |
14 | 機械学習・クラスタリング6 | 主成分分析、因子分析 |
15 | まとめ | これまでの手法の復習 |
16 | 期末試験 | 理解度を問う |
・「数学概論」
自然界に生起する現象は場所や時間に依存して変化するので2つの変数や3つの変数で表されるのがほとんどで、現象の時間的変化や場所的変化を記述する数学的手法が必要となってきます。また、最近では解析にコンピュータは不可欠な道具であり、コンピュータによる分析や解析を念頭においた講義を行います。物質やエネルギー輸送、化学反応などを記述する場合の基礎である「微分」、「積分」、「微分方程式」や多変数をもつ物理量の演算を扱う「行列と行列式」、多くの変数をもつ連立方程式をPCで解くための差分法等の講義を行います。
週 | 項目 | |
---|---|---|
1 | 微分(1) | 微分の定義、導関数の計算 |
2 | 微分(2) | 微分の応用(関数の増減、極大・極小)農業場面で取得したデータを利用した近似直線を求める |
3 | 微分(3) | 偏微分 |
4 | 積分(1) | 定積分の計算(置換積分・部分積分・分数分解) |
5 | 積分(2) | 微分方程式とその解法 |
6 | 演習 | PCによる微分方程式の数値解法 |
7 | まとめ、中間試験 | それまでの内容の習熟度を問う |
8 | 行列と行列式(1) | m行×n列行列の演算の定義 |
9 | 行列と行列式(2) | n行行列式の演算の定義 |
10 | 行列と行列式(3) | 逆行列の演算 |
11 | 行列と行列式(4) | 行列と行列式を用いたn次元連立方程式の解法 |
12 | 行列と行列式(5) | 行列と行列式を用いたn次元連立方程式の解法 |
13 | 演習(1) | PCを用いた連立方程式の解法 |
14 | 演習(2) | PCを用いた連立方程式の解法 |
15 | 確率 | 順列・組み合わせ・ベン図・条件付き確率 |
16 | 期末試験 | 習熟度・理解度を問う |
・「応用情報処理学」
自然現象の理解を深めるために数理科学の基礎をコンピュータを利用して学ぶことで、高年次での学習・研究において役立つツールとしての情報処理やデータサイエンスに関する知識と技術の習得をめざす。
週 | 授業 | 項目 |
---|---|---|
1 | 情報処理とコンピュータとデータ | コンピュータの構成・基本動作、データ表現、2進数・16進数、数値データの単位の重要性、SI単位、単位変換 |
2 | 指数・対数の利用 | 対数を取ることの意味、pH、透過率と吸光度、吸光度による濃度推定 |
3 | データのグラフ化 | 複雑な関数のグラフ作成、解析に応じたグラフの使用 |
4 | 相関分析・回帰分析 | 農学分野での事例 |
5 | データの表示法 | 標準偏差・標準誤差・信頼区間 |
6 | 自然現象を数式で表現するI | 微分の意味、微分方程式の解法、自然現象の時間・空間スケール、生物の成長モデル(指数関数モデル) |
7 | 自然現象を数式で表現するⅡ | 生物の成長モデル(ロジスティックモデル) |
8 | 自然現象を数式で表現するⅢ | 生物の成長モデル(ロトカ-ヴォルテラの競争モデル)、ロトカ-ヴォルテラの方程式の数値解法 |
9 | 自然現象を数式で表現するIII | 生物系(個体数モデルII:ロジスティック関数) |
10 | プログラミングI | プログラミングの基礎、フローチャート、ExcelVBAプログラミング(データ整理、平均値) |
11 | プログラミングⅡ | 繰り返し・条件分岐、ExcelVBAプログラミング(ヒストグラム作成) |
12 | プログラミングⅢ | Python、ExcelVBAプログラミング比較 |
13 | 機械学習(判別分析) | 農学分野でのデータを用いた判別分析に関する演習 |
14 | 機械学習(ニューラルネットワーク) | 農学分野でのデータを用いたNNによる機械学習に関する演習(学習、評価) |
15 | 期末試験 | PCによる課題提出 |
・「生物環境情報工学」
農業、特に植物生産におけるICT利用に関して、1)情報の重要性、2)データ解析に関する手法、3)植物に関する情報を取得する方法(植物の状態を観る手法)、4)植物生育環境に関する情報を取得する方法、5)情報の利用法、という観点から論じる。
週 | 授業 | 項目 |
---|---|---|
1 | 生物環境情報工学とは | 授業計画、農業における情報の重要性について、科学における定量性の重要性、情報とは・デジタル情報・情報の単位 |
2 | 光環境の定量化 | 光の強さの評価(照度、光量子束密度、放射照度)、光の質の評価 |
3 | ガス環境の定量化 | 湿度の単位、ガス濃度の単位、温湿度の作物への影響、温暖化適応策と緩和策 |
4 | 農業分野で必要なデータ分析基礎I | 相関分析・回帰分析 |
5 | 農業分野で必要なデータ分析基礎Ⅱ | 重回帰分析・データの正規化 |
6 | 環境制御技術 | 温室の歴史、植物工場、換気、ヒートポンプ |
7 | 植物生育のモニタリングI | 光合成・蒸散速度の測定 |
8 | 植物生育のモニタリングII | 植物生育のモニタリングII |
9 | 植物生産におけるモデリング | 経験的モデル・機構的モデル、生育モデル 、発育モデル、カーブフィッティング |
10 | 機械学習Ⅰ | 決定木・ニューラルネットワーク・SVM・農業分野での応用例 |
11 | 機械学習Ⅱ | 植物工場における人工知能技術 |
12 | AIを利用した植物生育モニタリング | AI画像解析、生長速度解析 |
13 | 農学分野におけるデータサイエンス実践Ⅰ | データ・AI活用 企画・実施・評価 |
14 | 農学分野におけるデータサイエンス実践Ⅱ | データ・AI活用 企画・実施・評価 |
15 | 農業分野で利用されるICTサービス | Decision support system、メッシュ気象情報利用、農業用クラウド |
16 | 期末試験 | 理解度・習熟度を問う |
6. 実施体制
情報・データ科学教育センターが各学部と連携し本教育プログラムの計画・実施・評価・改善を担っている。
情報・データ科学教育センター名簿
職名 | 所属等 | 氏名 |
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センター長 | 創成科学研究科(工学系) | 山口 真悟 |
副センター長 | 教育学部 | 北本 卓也 |
副センター長 | 創成科学研究科(理学系) | 西井 淳 |
専任教員 | 情報・データ科学教育センター | 木下 真 |
共通教育実施部会長 | ||
データサイエンス教育専門部会長 | 創成科学研究科(工学系) | 藤田 悠介 |
データサイエンス教育全学調整部会長 | 教育学部 | 北本 卓也 |
リカレント教育部会長 | 創成科学研究科(工学系) | 佐村 俊和 |
教育支援課 | 椛村 裕二 |
情報・データ科学教育センター組織図

7. 評価と改善
当該プログラムに関する諸活動の改善・進化サイクルを機能させるため,自己点検・評価委員会を組織し,継続的な活動を実施している。詳細は以下のページを参照されたい。
https://www.dsc.yamaguchi-u.ac.jp/subject/kaizen/