[ 第53号 ]山口県企業誘致セミナー「長州デジタル人材」/地域発DXシンポジウム~人材とDXで山口から新たな価値の創出を~/GPTー1
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山口大学情報・データ科学教育センター メールマガジン
第53号・2025年8月発行
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教職員、学生の皆さま、こんにちは!
情報・データ科学教育センターです。
「学べば則ち固ならず」
この孔子の言葉は、学びが人の心を柔軟にし、視野を広げることを教えています。
これは、AIの進化に深く通じる考え方です。
AIは膨大なデータから学びますが、一度学習しただけでは、変化する社会に対応で
きません。常に最新の情報を学び続ける「継続的な学習」がなければ、AIの判断は
すぐに時代遅れになってしまいます。これは、学びがAIを「固まらない」存在にする
ための必須条件なのです。
また、学びは新しいアイデアを生み出す源でもあります。人間が新しい知識を得る
ことで思考が柔軟になるように、AIも多様なデータを学習することで、予測不能な
組み合わせや斬新な解決策を生み出す可能性があります。
変化の激しい現代社会で、学び続けることは、柔軟な思考を保つための鍵です。
私たちも、日々学び続け、心をアップデートしていくことが大切です。
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「山口県企業誘致セミナー「長州デジタル人材」」イベントレポート
データサイエンスやDXに関する取り組みのご紹介
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2025年8月21日(木)、東京にて山口県企業誘致セミナー「長州デジタル人材」が
開催されました。本イベントは、山口県が取り組むデジタル関連企業の誘致と人材
育成の取り組みを紹介し、県内への進出を検討する企業を対象に行われました。
◇ 山口県知事が語る事業メリット
山口県知事の村岡嗣政氏が登壇し、「産業維新」を掲げる山口県の取り組みを紹介し
ました。平成27年以降、53社ものデジタル関連企業が進出している理由について、
具体的な事業メリットを交えながら説明し、山口県がデジタル企業の集積地
となりつつあることをアピールしました。
◇ 辻野晃一郎氏が語る「デジタル時代の人材育成」
続いて行われた基調講演では、Google日本法人元代表取締役社長の辻野晃一郎氏が
登壇されました。「デジタル時代の人材育成と教育について」と題し、AI革命の先に
来る新たな時代で活躍する人材像を語りました。企業における人材育成の考え方
や、地域に求められる教育の重要性についての話は、多くの参加者の関心を集めま
した。
◇ 豊富な「長州デジタル人材」と交流
セミナーの後半では、山口県内の情報系教育機関の教員や学生が登壇し、各校の教
育内容を紹介しました。山口大学をはじめとする10の教育機関が参加し、山口県が
有するデジタル人材の層の厚さを感じさせる内容でした。
プレゼンテーション後は、教育機関がブースを出展する個別交流会が行われまし
た。参加企業は、各教育機関の関係者と直接交流することで、自社が求める人材像
に合う学生の採用可能性を具体的に探ることができました。会場では山口県産品の
試食も振る舞われ、和やかな雰囲気の中、活発な意見交換が行われました。
今回のセミナーは、山口県がデジタル人材の宝庫であること、そして企業進出のメ
リットを具体的に知ってもらう貴重な機会となりました。今後も、山口県と企業の
連携が深まることが期待されます。
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地域発DXシンポジウム~人材とDXで山口から新たな価値の創出を~ 参加報告
リカレント部会長 佐村 俊和
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令和7年7月15日(火)に山口市のKDDI維新ホールにて「地域発DXシンポジウム~
人材とDXで山口から新たな価値の創出を~」が開催されました。本シンポジウムで
は、山口大学、山口県立大学、山口学芸大学の文系DX人材育成に関わる取り組みの
紹介や情報交換が行われました。3大学の関係者に加え、自治体や企業の皆様が参加
しており、シンポジウムの後半のテーブルディスカッションは、DXのリカレント教
育やDXを織り込んだPBLに関して、産学公の関係者や学生との間での意見交換の場
となりました。
情報・データ科学教育センターでは、データサイエンス技術マスター講座を開講
し、社会人へのDXリカレント教育(大学を卒業した後に、大学で学び直すこと)を
実施しています。そこで、センターでDXのリカレント教育を担当する教員と講座を
修了された受講生がテーブルディスカッションに参加し、様々な立場の方々から貴
重なご意見を伺いました。目まぐるしく変化する社会において、社会人になっても
学び続けることが重要なことは言うまでもありません。しかし、学び直しを行いた
いものの、働きながら学び直しをするには時間的に余裕がないとの現実的な意見が
多くありました。リカレント教育を提供する側としては、どのように教育機会を提
供することが、時間の限られる社会人にとって望ましい機会となるのかを考えるこ
とも重要であると言えます。
学生の皆さんは、目の前の単位取得で精一杯かもしれませんが、大学を卒業しても
学びが終わりになることはありません。将来のために、大学での学びを通じて、継
続して学ぶ力をつけることにも目を向けてみてください。
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知っちょる?「GPT-1 」
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今回から数回にわたってChatGPTの進化を紹介していきます。
初回はGPT-1(Generative Pre-trained Transformer 1)です。GPT-1は、OpenAIが
2018年6月に発表した大規模言語モデルの最初のバージョンです。
GPT-1 の一つ目の特徴は、Googleが発表した「Transformer」を採用した点です。
これにより、長いテキストの文脈を効率的に学習できるようになりました。
もう一つの特徴は、事前学習とファインチューニングという学習手法です。これに
より、モデルは汎用的な言語能力を身に付け、さらに特定のタスクに対応できるよ
うになりました。
GPT-1のパラメータ数は約1.17億個です。これは現在のモデル(GPT-3は約1,750億
個)と比べると非常に少ないですが、当時としては画期的な規模でした。
GPT-1は、今日のChatGPTをはじめとする生成AIの進化の出発点であり、大規模な
事前学習によって言語能力を向上させるという、現在のAI開発における基本原則を
確立したモデルといえます。
▼ GPT-1の代表的論文はこちら ▼
Alec Radford, Karthik Narasimhan, Tim Salimans, Ilya Sutskever,
“Improving Language Understanding by Generative Pre-Training,” (2018).
https://cdn.openai.com/research-covers/language-unsupervised/language_understanding_paper.pdf
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情報・データ科学教育センターでは、学内外の方々と連携を進めながら
サービスを高めていきたいと考えております。
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ご協力をよろしくお願いいたします。
=== 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ===
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