メールマガジン

[ 第28号 ] 萩市の企業誘致に関する取り組み/「AI技術×○○」研究デザインプロジェクト公募/データサイエンス技術演習

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山口大学情報・データ科学教育センター メールマガジン

第28号・2023年7月発行

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教職員、学生の皆さま、こんにちは!
情報・データ科学教育センターです。

本格的な夏を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。

「冷やし中華はじめました!」
夏になるとこのフレーズ、よく耳にしますよね。
冷やし中華は7月の季語にもなっているそうです。

我が家では5月に早々に始まっていますが、皆さまのお宅ではどうですか?

冷たい麺に甘酸っぱい爽やかなスープ。代表的な具材の卵、きゅうり、
ハム、トマトには、夏バテ予防に効果的な栄養素が含まれているそうです。

 2015年に東洋水産とウェザーマップは、全国の「冷やし中華はじめ時」を
知らせる「冷し中華前線」を発表しました*1。消費の観点から主要都市に
おける冷やし中華商品の購買動向と、気象の観点から気温や相対湿度、風速
データなどの相関性を分析した結果、1日の最高気温が7日平均で20℃を超えて
くるタイミングを「冷やし中華はじめ時」として設定したそうです。

*1 東洋水産とウェザーマップが 今年の全国の“冷し中華始め時”を予想
https://www.weathermap.co.jp/wp-content/uploads/3/2015/04/20150417_maruchan_x_weathermap.pdf

 気象庁のデータを使って2023年の「冷し中華はじめ時」を調べてみると、
以下のようになりました。
・宇部市 4月21日 (最高気温の7日平均20.17℃)
・山口市 3月11日 (最高気温の7日平均20.51℃)
想像よりもずいぶん早く、驚きました! 我が家も遅いくらいです。

 2015年の「冷し中華前線」と照合すると、那覇市3月17日、福岡市と広島市
4月21日、東京4月19日ですから、宇部市の結果は例年並みのようです。
一方、山口市は那覇市よりも早い結果となりました。この結果は、盆地特有
の気候の影響か、地球温暖化の影響でしょうか。研究に値します。

 こうして始まる冷やし中華ですが、去り際はつつましく、お店のメニュー
からはひっそりと消えていくようです。

 まだまだ暑い日が続きますが、冷やし中華を食べて、暑い夏を乗り越えて
参りましょう。

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萩市の企業誘致に関する取り組みのご紹介
「萩市がサテライトオフィス誘致に取り組むワケとは」
萩市商工観光部企業誘致推進課 長山 達哉 様
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萩市では、時間や場所を選ばない新しい働き方として、地方人材を求めるIT
企業のサテライトオフィスの誘致に積極的に取り組み、現在6社の企業が萩市
に進出しています。

なぜ萩市がIT企業のサテライトオフィス誘致に力を入れるのか。
その理由は、大きく二つあります。

一つ目は、萩市は山陰という土地柄、交通や物流の面で大規模な工場の誘致には
ハンデキャップがあります。一方、IT企業はネット環境さえあれば、都市部でも
地方でも場所を選ばず同じ仕事ができるという特徴があり、萩市でもその可能性を
見出せたからです。

二つ目は、若者のニーズに合った職業であることです。萩市では、高校卒業後、
就職や進学で大半が市外に転出してしまいます。しかし、萩市にIT企業がある
ことで、若者の職業の選択肢を増やし、地元に残る、または市外から転入が
望めるという、萩市の最大の課題である人口減少対策の一役を担うことになる
と考えたからです。

実際に市内にサテライトオフィスを構えるIT企業では、地元の高校新卒者を
毎年2~5人程度雇用していただいています。企業側からすると、都市部では
IT人材が不足しており、人材確保の競争が激しく、採用できても数年で条件の
良い企業に転職するリスクが高いと聞いています。しかし、地方の高卒人材を
雇用し、4年かけて優秀なエンジニアに育てていけば、一般の大学卒業時期の
新卒人材が入社する時期には既に立派なスキルが身に付き、また、愛郷心が高く
離職率が低いことから、長く企業で活躍してもらえると考えられています。

さらに萩市は2020年に、産官学連携による「萩グローバルIT人材育成協議会」
を立ち上げ、地域のITリテラシーを高める事業を展開しています。特に、人材
育成事業として、ITの基礎を無料で学習できる「IT松下村塾」では、今年度も
多くの山大生に塾生として登録いただいているところです。
興味のある方はぜひ以下のサイトをご覧ください。

▼萩グローバルIT人材育成協議会・ HAGi_プロモーションサイトはこちら▼
https://www.hagi-society5.org/

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2023年度「AI技術×○○」研究デザインプロジェクト公募のご案内
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 学内のデータサイエンス文化醸成をより拡充させるため、 AI技術を様々な
分野で活用することを目的とした研究を対象に支援する「AI技術×○○」研究
デザインプロジェクトを公募します。

 本プロジェクト支援経費においては、女性研究者を含むグループの部門を
設け、女性研究者を研究費の面においても積極的に支援することも一つの目的
としています。

 申請上限額は設けませんが、総額3,000千円/年に対し、採択件数は1.一般
グループと2.ダイバーシティグループの部門あわせて3件程度とします。
また、支援期間は最大3年間とします。なお、次年度以降は大学の予算の状況
により、配分が減額される可能性があることに留意してください。

▼ 公募要領 ▼
https://www.dsc.yamaguchi-u.ac.jp/news/aiproject/

▼ スケジュール(予定) ▼
公募開始 令和5年7月28日(金)
申請書提出期限 令和5年8月28日(月) 12時(厳守)
ヒアリング審査  令和5年9月4(月)~ 9月7日(木)
(申請多数の場合は、ヒアリングに先立ち書面審査を行う場合がある。)
経費支援結果通知 令和5年9月中旬~下旬

▼ 申請書等提出先 ▼
情報・データ科学教育センター(学生支援部教育支援課教育連携係)
メール:mailto: ga110@yamaguchi-u.ac.jp 内線5233

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数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム
2023年度 第1回コンソーシアム 中国ブロックシンポジウム
工学部知能情報工学科の「データサイエンス技術演習」を紹介しました
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 前号に続き、2023年6月23日(金)に開催された『数理・データサイエンス・
AI教育強化拠点コンソーシアム 中国ブロックの第1回シンポジウム』で
報告した本学における取り組みについてご紹介します。

 本学では応用基礎レベルの構成科目を一部共通化し、導入の効率化を図って
います。そのような科目には「データサイエンス技術」と「データサイエンス
技術演習」が含まれます。今回は後者の演習科目について、工学部知能情報工学
科が実施している内容を紹介します。

工学部知能情報工学科の「データサイエンス技術演習」の授業風景

 演習科目というと非常に高度な内容をイメージされるかもしれませんが、
実際には基本的なプログラムの書き方から始まり、ライブラリを使用して
確率統計や機械学習の手法の使い方を一つずつ身に付けていきます。
最後の5回はPBL演習で、学生自ら課題を設定し、データ収集から分析方法、考察、
成果発表までを行います。

 課題には次のようなものがありました。
・山口県オープンデータを用いた山口県の過疎化・高齢化の要因分析
・e-Statのオープンデータを用いた子供の人口と子育て施設の数などの相関分析
・厚労省のオープンデータを用いた新型コロナウイルスの対策と効果の相関分析

 また、授業後に実施したアンケート結果から、以下のようなコメントがありました。
・ 実際にデータを操作することは面白いなと思いました。これからも興味を
持ったデータがあった時は積極的にいろんな操作を今回の授業で学んだことを
生かしながらすることができたらいいなと思いました。
・ 授業の内容は少し難しく感じた。ただ、プログラムを実際に動かしながら
学習するのは分かりやすかった。
・ 将来データサイエンスに関わる仕事に就きたいと思うようになりました。

難しかったという意見もありましたが、良好な意見が多く得られました。

 以上、工学部知能情報工学科のデータサイエンス技術演習の内容を紹介
しました。本学では、それぞれの学部の専攻内容に合わせたデータサイエンス
教育の提供を狙っています。各学科・コースにおきまして授業内容の設計の
参考になれば幸いです。

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Voice -みなさまの声をカタチに-
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情報・データ科学教育センターでは、学内外の方々と連携を進めながら
サービスを高めていきたいと考えております。

数理・データサイエンス・AIに関連するご意見やご要望などが
ございましたら、下記の連絡先までメールか電話でご連絡ください。
ご協力をよろしくお願いいたします。

=== 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ===

〇編集・発行 山口大学情報・データ科学教育センター
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