山口大学 情報・データ科学教育センター

一般社団法人リモート・センシング技術センター

この講義ではリモート・センシングとは何か、そしてリモート・センシングがどのように使われているかについての説明があった。

衛星リモート・センシングは、海や氷河、火山、森林等を対象として極軌道衛星で観測を行っており、目的に合わせて様々なセンサを用いているという。また衛星データは様々な場所で活用されており、多くの具体例の紹介があった。例えば災害現場の被害状況把握や火山噴火の予測、海外の洪水の警報システムである。さらに農水省ではどんな作物が作付けされているかを知るためや、水稲の作付面積を観測するために衛星データを活用している。コメのうまみを衛星で観測したり、収穫の適期を農家に知らせたりすることもできるという。他にも海の浅瀬の浸水度を測り、海図の作成に役立てたり、アマゾンの違法伐採に関して現地に情報提供して衛星で観測されていることによる抑止効果を生んだりなど、リモート・センシング技術の活躍場所は非常に多様である。

近年商用リモート・センシングが急増し、将来的にはたくさんの衛星を打ち上げることで24時間地球を観測するようになるという展望が見えている。政府も衛星データ運用ビジネスを見据えており、今後これらのデータがますます重要な意義を持つようになると考える。講義では、実際の衛星写真や、衛星データを基に作成された3D映像を用いた説明が多く、大変興味深い内容であった。